「恋をすると食欲がなくなるのは何故なのか」に関する一考察
♪~♬~♪~♫~【オープニング曲】
矢瀬田井(以下: 矢)
みなさんこんにちは。
ダイエッターの生態を解明する『クローズアップ現ダイエット』。
司会の「た(T)べ(B)す(S)ぎテレビ放送」アナウンサー、矢瀬田井 洋(やせたい・よう)です。
───恋愛。
それは女性から食欲を奪うことによって思いがけないダイエット効果をもたらす、ある種のフィーバータイム────
ただそれは無常にも、一瞬にして終わりを迎えてしまうもの。
しかし近年、その食欲減退期から回復期への推移にはある一定の法則が存在するということが、数々の研究によって明らかにされています。
本日は解説に、食欲と恋愛の関係性に詳しい、たべすぎ大学しんどい学部准教授、アラサー不美人さんをお招きしました。
よろしくお願いいたします。
アラサー不美人准教授(以下: 不)
よろしくお願いします。
─────────────────────────
矢
それでは、早速解説を始めていただきましょう。
まずは、こちらのパネルをご覧ください。
矢
恋愛初期段階にある女性ですね。
どうやらお相手の男性と、回転寿司店を訪れているようです。
おや、なんだか悩ましげにマグロの握りを眺めている様子が見てとれますが……
不
ええ。
我々専門家の間では「ZHM(ぜんぜん/腹減らねーんだけど/まじで)期」と呼んでいます。
このZHM期には、極端な食欲減退傾向がみられます。
例えば回転寿司なんかですと、ひどいときには2皿ほどしか食べられなかったという例も報告されています。
つい先週のことになりますが、
「『美味しそうに食べる女性』のほうがモテることを知りつつも、なかなかそれを行動に移せない女性が後を絶たない原因」
を心理的な側面から解明したと、たべすぎ大学しんどい学部の研究グループが発表しました。
この研究結果は、明日9日付の英科学誌『ネイ◯ャー』電子版に掲載される予定です。
アラカン不美人・たべすぎ大学名誉教授(恋愛心理学)らは、デート中の食事風景について、恋愛初期段階にある女性1000人を定点観測。
すると彼女たちは、食べ物を口に運ぶタイミングをつかめず、パニック状態に陥る様子をたびたび垣間見せました。
この傾向は、実に1000人中862人の女性にみられたことを明らかにしています。
これは、恋愛心理学的に考えると、「もし彼氏に何か問いかけられたとき、口の中に食べ物が入っていたらどうしよう…」という不安からくるものと思われます。
────さて、恋愛初期には家に帰って1人になってもお腹が空かず、その興奮冷めやらぬまま1日を終えることができた彼女たち。
しかしながら、次第に空腹感を覚え始めます。
それでも依然として彼氏の前では猫をかぶり続ける彼女らが、その空腹を満たすため、帰宅後「お茶漬けサラサラ」を始めたら……
その恋愛が次のステップに移った合図です。
矢
はい。
では次にこちらのパネルをご覧ください。
矢
いわゆる「恋愛中盤期」ですね。
不
はい。
専門用語では「DMT(だんだん / 魔法が / 解けてきたんじゃねーの)期」といいますが、その名の通り、恋愛初期にありがちな「過度のドキドキ感」が徐々に薄れてくるころです。
このDMT期に突入すると食欲がかなり戻ってはくるものの、やはりまだ恥じらいが残っているためか、食事の粗相が起こりにくい形状の食べ物を選びがちです。
具体的な例としては、オムライス、ドリアなどが挙げられますね。
これらのメニューの場合、スプーンですくった少なめの量をおちょぼ口で食べられる点が、恋愛中盤期の女性から高い評価を得ているのでしょう。
私の記憶が正しければ、往年の名作『恋愛カタログ』にも同様の記述がなされていたはずです。
また、このDMT期の段階ですと、まだメニューに「こってりラーメン」と「あっさりラーメン」があれば、なんとなくイメージ戦略的に「あっさり」を選んでしまいがち……
といった傾向も見て取れるでしょう。
矢
それはなかなか、素人にはない視点ですね。
さすがです。
それでは、最後のパネルをご覧いただきましょう。
不
はい。
こちらは恋愛成熟期ですね。
この段階は「FPN(フライドチキンだろうが / ピザだろうが / なんでも来いや)期」といって、お付き合いが長く続いた場合の、いわば最終形態ともいえる状態です。
手羽先、ハンバーガー、ミルフィーユなど、上品かつ美しく食べることが非常に困難なメニューでも、比較的躊躇なく選ぶことができるようになります。
FPN期の段階まで来てしまえば、例えば焼き鳥なども串から外して箸でちまちまと食べることなく、豪快にそのままかぶりつくことができるでしょう。
矢
いやはや……なんとも奥深い……
─────────────────────────
♫~♪~♫~♬~【エンディング曲】
矢
残念ながら、そろそろお別れのお時間が近づいてまいりました。
アラサー不美人准教授、本日は誠にありがとうございました。
不
ありがとうございました。
矢
それではまた来週お会いしましょう。
みなさまごきげんよう。
────────────────────────
恋をすると食欲がなくなるってこと、多くの方が経験されているのではないでしょうか。
「全然そんなことないよー」て方、まぶし過ぎてギリギリします。
私は所詮、見栄っ張りのビビリ屋。
過剰に他人の目を気にしながら生きざるをえない、器の小さな人間なのです……
て、まぁまぁ自虐し始めるとキリがないので、話を戻しまして。
なんやろ、普段からあまりお腹が空かなくなるのはもちろん、なんというか……好きな人の前では「食」という行為が恥ずかしく思えて、緊張してしまう……というか。
食欲が減退するだけでなく、寝不足でも無駄に元気だし……
なぜか何事にも意欲満々で、いくらでも働けたりもするし……
スーパーマリオでいうところの「スターをとった」みたいな感じとでもいいましょうか。
まぁ、相手に慣れればあっという間に平常心が戻ってきてしまうんですけどね。
かといって、彼氏に飽きて好きじゃなくなる訳ではないんです。
けれど、あのムテキ★感っつーのは……まず長続きしません。
もしあのままの状態を一生維持できたなら、さぞかし有意義な人生を謳歌できることでしょうなぁ。
ただ……
食べなくても寝なくても、常に全開絶好調……!!
仕事が忙しくて休みがなくても、どれだけだって頑張れる……!
……そんな状態が、もしずっと続いたとしたら……
まず間違いなく長生きはできないでしょうなぁ。
いろんな意味で消耗しまくり。
だから恋愛には「慣れ」が出てくるのでしょうか。
自分の肉体的負担をある程度避けるため、あらかじめそういうシステムがプログラミングされているんでしょうかね。
まぁ、これは私の勝手な見解なのでアテにはしないでいただきたいのですが。
あとこの現象、男の人も経験するものなんでしょうか?
男性も、「胸がいっぱいでお腹が空かない」ことってあるんですかね?