リバウンドだらけの我が人生
♪~♬~♪~♫~(オープニング曲)
矢瀬田井(以下: 矢)
みなさんこんにちは。
ダイエッターの生態を解明する『クローズアップ現ダイエット』。
司会の「た(T)べ(B)す(S)ぎテレビ放送」アナウンサー、矢瀬田井 洋(やせたい・よう)です。
リバウンド。
一般的に、減量に成功したダイエッターがキツイ食事制限の反動で食べ過ぎ行為に及び、ダイエット以前よりも太ってしまう現象を指す言葉として使われることの多い言葉です。
しかしその他にも、世の中には「リバウンド」と呼ぶべき現象が数多く存在しています。
本日は、解説に近現代リバウンド研究の第一人者、たべすぎ大学しんどい学部教授、アラフィフ不美人先生をお招きしました。
よろしくお願いいたします。
アラフィフ不美人教授(以下: 不)
よろしくお願いします。
─────────────────────────
─────────────────────────
【矢】
それでは早速解説していただきましょう。
教授、本日最初にご紹介する「リバウンド」とは──?
【不】
まずは定番中の定番、「ダイエットにおけるリバウンド〜食事制限編〜」です。
こちらのグラフをご覧ください。
─────────────────────────
─────────────────────────
「懐かしのダイエット」シリーーーズ!
【矢】
嗚呼……
日本リバウンド史上、これほどまでに分かりやすい対比があったでしょうか……!
これこそ、「ダイエットにおけるリバウンド」の黄金パターンと言えますね。
【不】
もちろん、たまに食べすぎる分にはまったく問題ありません。
ただ「1回やらかすと食べグセつく」ことこそが、リバウンドを引き起こす最大の要因と言えるでしょう。
【矢】
さて次の「リバウンド」は……?
【不】
はい。
ダイエット界において、「食事制限」と肩を並べるニ大巨頭のうちの1つ、「エクササイズ」の分野からも、1例ご紹介しましょう。
【矢】
コレはまた……
えらく息巻いていますね……
【不】
これは、約1ヶ月前のアラサー不美人さん〈顔隠して声の加工までしたのに、正体バラしてもうたがな〉の様子ですが、これからご覧いただくグラフは「まさにお約束」な経過を示します。
─────────────────────────
─────────────────────────
【不】
最初のうちこそ、張り切ってエクササイズに取り組むダイエッターたち。
しかし「そのエクササイズの動きが複雑であればあるほど、本やネットの図解だけでは分かりにくい」といったケースが数多く報告されています。
【矢】
その結果「果たしてこの動きで正解なのか」「本当に効いているのか」などと疑心暗鬼に陥りはじめ、元々のズボラな性格も手伝って、毎度三日坊主になる……
……というのがお決まりのパターンですね。
【不】
実際、監督者もしくは指導者不在の環境では、キツイ動きを自分の中で楽な方楽な方へと、知らず知らずのうちに改変している場合が多いものです。
この辺りに「トレーナーの存在」の偉大さが見てとれるのではないでしょうか。
【矢】
ちなみにアラサー不美人さん、ここ最近はある「小顔エクササイズ」に励んでいるようですが……?
【矢】
え……?
5歳の時に比べて身長は50センチ弱伸びているはずなのに、頭身バランスは相変わらず5頭身のまま……?
何かの間違いではないでしょうか?
え? コラ画像?
【不】
いえ、残念ながらこれで合っています。
加工ナシ、ドーピングナシの正真正銘マジ写真です。
成人後、早いもので干支を一回り。
そんな32歳のアラサー不美人さんがいまだ引きずる「頭身比率が5歳児」問題は、かなり深刻な状況にあると言えるでしょう。
ちなみに余談ですが、アラサー不美人さんの5歳当時の写真は、2015年度「ウチの子にしたくない-1ぐらんぷり」第1位に輝いたブサイクっぷりで有名です。
ブサイクを売りにしているお笑い芸人さんですら「かわいい〜」という声が客席から漏れるはずの5歳時写真。
しかしアラサー不美人さんの5歳時写真を見た瞬間、スタジオには史上稀に見る静寂が訪れること請け合いです。
例えるなら、「センター試験会場かアラサー不美人さんの5歳時写真みた後か」ってくらいの静寂が──。
【矢】
以上、ダイエット界におけるリバウンド「〜食事制限編」と「〜エクササイズ編〜」の解説をお送りしました。
【不】
さて、先ほどまでにご紹介した「リバウンド」とは、日々の抑圧された欲求が爆発した状態のことを指しますが、それとはまったく別のカテゴリーに属する「リバウンド」も存在します。
中でも代表的な「リバウンド」の例として、「高すぎる理想を追い求めるあまり、その反動から極端にやる気をなくし、平常時以上の怠けっぷりを発揮してしまう」というパターンがあります。
次のパネルをご覧ください。
─────────────────────────
─────────────────────────
【不】
趣味、特技の分野における「リバウンド」の一例ですね。
アラサー不美人さんは、「熱しやすく冷めやすい」という言葉が服を着て歩いているような人間です。
入会金を支払っただけでペラペラになった気になり、足が遠のいた英会話教室。
まったく進んでいないのに、次号が続々と届く某資格の通信講座〈開封されることなく毎月高さを増すダンボールタワー……を見つめる夫の視線の冷たさといったらもう……〉。
「新しい自分に生まれ変わる! 」
これまで、アラサー不美人さんが幾度となく繰り返した宣言ですが……
英語ペラペラは夢のまた夢であることに代わり、彼女の発言の厚みがペラッペラなようです。
目標達成のため、使った金額が高ければ高いほど、また、その目標が大きければ大きいほど、挫折するまでのスピード……つまりリバウンド現象が顕著に現れる傾向にあります。
【矢】
これまた余談ですが、「アラサー不美人さんは自分に自信がなく、他人の評価を気にしすぎる性質が目に余る」との情報も入ってきていますが……?
【不】
はい。
例えば人から趣味を聞かれた場合、
「本を読むのが好き➡︎読書」
「服のコーディネートが好き➡︎ショッピング」
……等、自分の好きなモノ・コトから派生する行為を返答するのが一般的です。
しかしアラサー不美人さんタイプの場合、
就活に有利な趣味ってなんだろう?
➡︎とりあえず頭よさげに見せておけば無難か?
➡︎読書
「オシャレな女の子」っぽい趣味ってなんだろう?
➡︎とりあえずファッションに気を遣っている風を装いたい
➡︎ショッピング
また、反対に
合コンで好感を持たれる趣味はなんだろう
➡︎カネのかかる女と思わせないのが得策だ
➡︎「家でじっとしているのが好きです」
……等、趣味を「自己のキャラ付け」や「イメージ戦略」的に利用する傾向があります。
「本当に自分が好きなことは何か」ではなく「他人にどう見られたいか」ばかりを気にかけて趣味を選び続けた結果、いい大人になっても「自分が心の底から好きなこと」が分からないまま、半ばパニックに陥っている状態です。
【矢】
これは何というか……
どうにもこうにも手のつけようがありませんね……
【不】
それでは最後に、リバウンド現象の中でも「過度な投資の反動」分野に属しながらも、一味違った特徴を見せる、極めて珍しい例も紹介しておきましょう。
本人のやる気の有る無しに関わらず、否応なくリバウンドせざるを得なくなるパターンです。
─────────────────────────
─────────────────────────
いやこのグラフ違うな……
リバウンド後は全項目「ゼロ」だな。
【矢】
「金で美を買う」系の典型的なリバウンドですね。
【不】
はい。
数年前、結婚披露宴直前のアラサー不美人さんの状態を表したグラフです。
これはまさに、「住宅購入時と結婚式前、金銭感覚崩壊の法則」!
「え?フラワーアレンジメントのアップグレードが8万?まーそれくらいならやっちゃうかー」
〈「8万」が「それくらい」だって……? 〉
〈普段、いつもより10円高いトマトを買う勇気すらないくせに……? 〉
「お料理もう1品追加で3000円?まーそれくらいならやっちゃうかー」
〈確かに1人分なら3000円かもしれない。しかし、招待客は何人だと思ってんだ〉
脳内フィーバー真っ只中のアラサー不美人さん。
この状態の彼女には、予算をはるかに上回る見積書の数字も、見えているようで見えていません。
この勢いで「一生に一度のことだから」と美容にもお金をかけまくり、数ヶ月後、正気に戻った彼女が目の当たりにする預金残高は……
私が何も述べずとも、もうみなさんお分かりでしょう。
その後の生活ではイヤでも節約を余儀なくされ、エステどころか基礎化粧品すら、ケチケチ使う羽目になる……
という悲しい結末を迎えることになります。
─────────────────────────
♫~♪~♫~♬~(エンディング曲)
【矢】
さて、残念ながらそろそろ放送終了のお時間が近づいてまいりました。
教授、最後に何か一言いただけますか?
【不】
今回は時間の関係で、主に「努力→怠け」「やりすぎ→やらなさすぎ」方向に関するリバウンドのご紹介に終始することになりました。
しかし、世の中には「休みすぎて逆にダルい」「暇すぎてむしろ働きたい」といった、だらしなさとは真逆の「リバウンド」も存在します。
「勤勉に働くことこそがいいこと」とは一概に言えなくなっているこのご時世。
しかしアラサー不美人さんのように度を越した怠けグセのある方には、ぜひこちらの「リバウンド」作用をうまく活用していただき、1日も早い「脱・ズボラ人間」が望まれるところです。
【矢】
アラサー不美人教授、本日は誠にありがとうございました。
【不】
ありがとうございました。
【矢】
それではまた来週お会いしましょう。
感動の続編は、ネット配信チャンネル「ダメエット」にてお楽しみください。