最強にブスなシチュエーション
【6:00】
寝起き。
むくみがハンパねぇ。
これ以上なく、顔パンッパン。
にもかかわらず、たるむところはシッカリたるんでいるという……
今の私、動物占いなら間違いなく「ブルドッグ」。
……って……
動物占いって、そもそもそーいう趣旨でしたっけ?
【13:00】
ランチタイム後のロッカールーム。
上司から急な外食の誘い
〈えー……今日弁当なんですけど…〉
〈高級蕎麦屋とか遠慮したいですわぁ〉
〈ランチに「粋」は求めていないんですわぁ〉
〈「まずは何もつけずに素材の味を……」イヤめんつゆビタビタですすりたいんですわぁ〉。
↑あ、ハイ、こんな性格なんで、年上から可愛がられません(笑)
女性社員とのおつきあい
〈「一口ずつ交換しよー❤︎ 」〉
〈建前 :「わーイイですね❤︎ 」〉
〈本心 :「……イヤです。わりとマジで」〉。
↑あ、ハイ、こんな性格なんで、学生時代ハブられたことあります(笑)
怒涛の作り笑い500連発。
……に伴いくっきりと刻まれたほうれい線。
……に溜まったファンデを綿棒でこそげ取る午後。
普段の「1人お昼ゴハン」を死守したいがために、たまの「付き合いランチノルマ」をこなす。
【16:00】
再び会社のトイレ。
朝のむくみが取れ始めた目元……に送り込まれた次なる刺客は、「老い」という名の陰りと窪み。
眉間のシワは、阿修羅さながら。
私も博物館に展示されたら、行列できてブームになるかな〈なるわけあるかい〉。
【21:00】
地下鉄の窓に容赦なく浮かび上がる己の姿。
もはや幽霊でしかない〈ついに「生きている人間」の領域を外れた〉。
両肩に食い込む荷物の重みと、ハイヒールがもたらす爪先の痛みで、身だしなみ関連が心底どうでもよくなる時間帯。
肩ノ内出血ニモ負ケズ、足指ノ変形ニモ負ケズ。
ブラ紐肘マデ落チテモ、オ構イナシノ丈夫ナ神経ヲ持チ、足を引きずりながらただ淡々と帰路を急ぐことに集中。