アラサー女の「ストレス無限ループ」
この世界には、2種類の人間がいる。
ストレスを感じたとき、食に走る人間とそうでない人間だ……
前者にとって、「人生を左右するほど大きな1回のストレス」はもちろん、「ついつい見過ごしがちな継続的で小さなストレス」もまた、決して侮ることのできない存在である〈後者にとってもか〉。
それでは早速、人生ゲーム形式でお楽しみください。
❶
朝。
昨日一緒に飲んだ友人から、メールの着信。
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↑↑↑ロック解除前、ホーム画面のままちょっと読めるアレ。絵文字のチョイスが不安を煽るぜ(笑)
「なになになになにー!? 」
怖くてそのメールを開くことができないまま、言いようのないストレスを抱えて朝食のカツサンドを貪る。
揚げ油のグロス効果で唇をテカらせ、3000円払う。
❷
昼。
職場の席替え。
不運にも、エアコンの風が直撃する席に当たる。
いちいち騒ぐほどでもないが、四六時中感じる地味なストレスに耐えきれず、社食でカレーライス特大盛りを注文する。
周囲にカレー臭を撒き散らしつつ、5000円払う。
❸
夜。
残り少なくなったプッシュ式ボトル内のトリートメントを100回近くシュポシュポし、なんとか今日を乗り切れる分だけひねり出す。
しかしそんな努力もむなしく、ちょっと油断した隙に、なけなしのトリートメントが手のひらから床にボタっと落下。
仕方がないので床に這いつくばり、こそげ取って使用するも、なんだかとても惨めな気分に……
風呂上がり、スナック菓子を爆食いする。
2袋目に手を伸ばしながら、1万円払う。
❹
翌日。
ストレスによる暴飲暴食が続き、危機感を抱く。
「先にヘルシーなものを食べてお腹を満たし、その後食事を摂れば少量で満足できます★ 」系のダイエットに挑戦する。
「食前に食べるとお腹で膨らむダイエットクッキー」を、夕食前に完食❤︎
……が、一向にお腹は満たされず。
「あれ? さっきクッキー食べたのって、もしかして夢だったのかな? 」
結局いつも通りの夕食を摂ってしまい、「クッキーの分、余計にカロリー摂取しただけ」という残念な結果に終わる。
「今後、ダイエット食品にお金をかけるのはやめよう」という人生何度目なのか数えることすらイヤになる誓いを立て、3万円払う。
❺
さらに翌日。
ウィダーインゼリー、カロリーメイト等の栄養補助食品を、いくら食べても太らないダイエット食品と勘違いする。
想像を絶する高カロリーを摂取し、5万円払う。
❻
さらにさらに翌日。
深夜に空腹を感じる。
ホントはカップ焼きそばを食べたいが、さすがに罪悪感……ということでひとまず豆乳を飲む。
が、その瞬間心を覆い尽くすのは「ウソみたいに満足感がない……」というぜーつぼーうかーーーん!
「あれ? さっき豆乳飲んだのって、もしかして夢だったのかな? 」←ん? デジャヴ?
カリカリ梅→都こんぶ→スルメと無駄な抵抗を続けるも、そのすべてが「食欲」という名の暴走列車の原動力となり、ついにはリニアモーターカー並みのスピードを記録する。
その速さたるや、東京大阪間を1時間ちょいで爆走するとかしないとか。
そこまで勢いづいてしまった食欲に抗うことができるはずもなく、最終的には結局カップ焼きそばも食べてしまう。
ヤキソバンに変身し、10万円払う。
❼
さらにさらにさらに翌日。
食べ過ぎのせいか右小鼻に巨大な吹き出物が出現。
卒業アルバムの個人写真撮影日★
待ちに待ったデート当日❤︎
果ては、一世一代の結婚式……
人生の大切な局面に限って出現するのがコヤツ〈吹き出物〉だ。
フォトショとコンシーラーを神と崇めつつ、20万円払う。
❽
せめて鏡の前以外では、吹き出物のことを忘れていたい……
なのになのに、よりによってその吹き出物が右小鼻に出現したせいで、やや右下に視線を落とす度、いちいち視界に入ってきやがる……
↑↑↑うわ〜、分かりにく……
言いたいこと、伝わらなかったらごめんなさい。
不快感MAXで30万円払う。
❾
あと、あらゆる化粧品に書いてある「デキモノがあるときは使うんじゃねーぞ」的な注意書きどうにかなりませんかね。
ねぇ?
逆にさ?
顔のどっっっこにもデキモノがなく、最強クリーンな状態のときなんて、ある〈私の肌が汚過ぎるだけか(笑)〉?
揚げ足取りの八つ当たり根性で、50万円払う。